明治学院創立150周年記念試合 

神宮でよみがえった日本最古の対抗試合

11 月24日、神宮球場で首都大学リーグ二部に所属する明治学院大が、東京六大学リーグの東大を迎えた「明治学院創立150周年記念試合」が行われた。 

▲神宮球場で行われた今回の記念試合。両チームは明治期を再現したユニフォームと帽子を着用してプレーした[写真=BBM]

 

 

同試合は、1886年に明治学院大の前進であった「波羅大学」と東大工学部の前進「工部大学校」が対戦した、日本で初めての対校戦を起源とするもの。この日は、明治学院大が特注した明治期のユニフォームを再現した上着とハンチング帽を両チームが着用し、127年前の「日本最古の対抗戦」が再現された。試合に先立ちあいさつした全日本大学野球連盟・南原晃副会長(東大OB)は、「日本野球は学生野球を中心に発達してきた。その起源とされる両チームは、誇りとフェアプレーの精神でプレーしてほしい」とエールを送った。 

▲スタンドにはOBや系列校の生徒ら約2800人の観客が訪れ、熱気を帯びた[写真=BBM]

試合は、2回に東大・笠原琢志(3年・甲陽学院)のソロで先制を許すも、その後は明治学院大先発・松田穣(3年・鎌倉学園)が6回5奪三振1失点の好投。すると、打線は4回に代打・飯間太郎(2年・明治学院東村山)の右前打で追いつき、7回には一死二、三塁から相手失策で2点を勝ち越した。そして7回からリリーフした2番手の水沼和希(1年・作新学院)も、3回2安打無失点で、3対1で勝利を飾った。 

 過去2度の大学選手権出場を誇る明治学院大。08年の春季リーグを最後に二部へ降格し、今秋の二部リーグでも7位に終わっていたが、「歴史に残る試合で恥ずかしい試合はできない。公式戦のつもりで勝利にこだわった」と、森山正義監督(元ロッテほか)。大学ラストゲームとなった徳永昇馬主将(4年・横浜隼人)も「今日の試合の結果が、50年後、100年後に残ると思ったので気合を入れて臨みました」と胸を張った。 

 試合途中には、両校の対抗戦が発端となった1890年の「インブリー事件」をまとめた約5分間にわたるVTRをオーロラビジョンで上映。「ただ試合を行うだけでなく、歴史を伝えたかった」(村上真司コーチ)と、明治学院大の部員が出演、撮影した映像を流し、訪れた多くの観衆に「歴史」を継承した。対戦した東大・浜田一志監督も、「100年以上の伝統を思うと、敗れたが、誇らしく、うれしいこと」と感無量の様子だった。 

▲明治学院大・森山監督は「勝つために気合を入れて練習してきた。この経験をリーグで生かしたい」と振り返った[写真=BBM]

試合後は、明治記念館で関係者約440人が集い、記念パーティーを開催。両校の健闘を称え、さらなる伝統と誇りの継承を誓い合った。